イギリス留学への疑問解消します
翌年86年には調味料メーカーなど4社が加わり、しょうゆやカツオブシなどを吟味して独自の「つゆ」作りに挑んだ。
時間が経過したそばにでも合う、おいしいめんつゆの開発だった。
製麺メーカーと調味料、つゆメーカーが話し合いのテーブルにつき、めんつゆの共同開発が進められた。
「小割けそば」の麺の品質、味覚が改善されていく中で、プラスチックの容器の改善、見直しも始まった。
87年には大手商社が容器開発の担当となり、時間が経過してもそばがくっつきにくく、麺が形崩れしない工夫を凝らした容器を開発した。
毎年のように改善が繰り返され、分科会には新しいメーカーが加わって品質の向上が進んだ。
現在でもPOSデータの地域別「ざる蕎麦」の販売動向を見ながら、めんやつゆの改善・開発が繰り返されている。
改善策が打ち出されても「小割けそば」を製造する各地域のメーカー(ベンダー)に正確に製造工程の手順を理解してもらったり、同質の設備を整備してもらう必要がある。
NDFのメンバーやSの商品本部の担当者は現場に出向いて技術指導を行う。
生産体制や品質管理を相互にチェックすることで、技術のすり合わせが円滑にでき、商品のレベルアップが図られる。
分科会は一見すると一つの企業の製品開発部隊に見える。
しかし、「小割けそば」のように利用する食材の数が少なくても、2社以上が商品開発に携わっている。
「ざる蕎麦」は誕生して2年以上が経過しているが、その中身は日々改善されている。
「小割けそば」のように多くのメーカーが呉越同舟のように参集し、特異な組織である日本D(NDF)を作り上げ、業界の慣習や常識の壁を突き破って商品開発に取り組むことができたのはなぜだろうか。
それは食中毒の発生がきっかけだった。
1978年6月、取引のあるベンダーが別の店舗チェーンに供給していた商品で食中毒事件を起こしてしまった。
創業から5年が経過して初めて経験するリスク管理だった。
当時はS以外のコンビニエンストアが食中毒事件を引き起こし、コンビニへの信頼感が低下した時期でもあった。
コンビニ業界では店舗数は既に1500を超えていた。
背景には急拡大する規模に米飯メーカーの品質、技術が伴っていなかったことがあった。
その意味で、食中毒のそもそもの原因は取引先の品質管理の欠如にあったが、消費者はそうは思わない。
その商品を扱う店が悪い商品を扱っていると見る。
後に、Sで、こうした事態が起きると、売り上げ減少に見舞われ生活を脅かされる恐れがあった。
店舗イメージは急速に悪化し、S本部と加盟店主との信頼関係は崩れかねない。
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